1⃣ 排便のタイミング
排尿、排便をコントロールすることは極めて大事で、これがコントロールできれば日常生活活動の自立のみならず、仕事や屋外活動、旅行等々も可能となり、QOLの向上が望まれる。
排便処置のタイミング アンケート結果
排便処置内容の説明
①毎日:29% ②定期的:26% ③曜日固定:19% ④便が出たとき:3% ⑤その他と不明:3% ①+②+③+④+⑤=80% は便意が無いから計画的に排便をするしか無いことを意味する。 若しくは、便失禁を排便処置のサインとするしか無い。 つまり、脊髄損傷者の80%は便意が無いため排便処置のタイミングを見つける必要があるということです。 また、①毎日:29% が第1位というのは特筆すべきことではないでしょうか。
健常者でも、毎日の人は多くないと思います。通常、自律神経も腹筋群等も正常な健常者でも、食事を摂り排便までの時間は24~72時間とか30~120時間とか報告があります。それ故、理想的な排便回数は1回/日とか言われていますが、適切な便(ブリストルスケール4前後)であれば、1回/2~3日でも適切と考えてよい。
以上を考慮すると、①毎日:29% は凄いことです。
⑥出そうな時=便意がある(20%) ということに他ならない。つまり、便意が無い割合は80%(国立リハビリテーションセンターの調査結果では82%であった。下図参照)となる。
⑥出そうな時というのは、
(1)核下型損傷で排便中枢S2,3,4が生きているので、直腸の貯留便の圧力が40~50mmHp以上に達すると、直腸壁の圧受容器からの信号がS2,3,4を通じて脊髄神経を上行し、便意を大脳皮質で認識することが出来る。
(2)その他の⑥出そうな時=便意というのは、自律神経過反射*に伴う症状の 代償便意/尿意 という症状で、血圧関係では “発作性高血圧200/100以上、頭痛、顔面紅潮、発赤、吐き気”、自律神経関連では “徐脈、めまい、動悸、不整脈、発汗、鳥肌” などの症状が代償便意/尿意として出現するのを敏感に察知して排便処置に繋げていると考えられる。
*自律神経過反射:Th6以上の脊髄損傷者とくに頚損者に多く見られる自律神経症状
2⃣ 排便についてのアンケート調査
3⃣ 脊損者の排便を促す工夫
排便を促す工夫として、水分、食物繊維の摂取等がありますが、排便時には腹部のマッサージや排便中枢を刺激することも有用です。
ちょっと、一息
ゴニオメーターの軸が伸縮するイクステンドゴニオメーターをご存じでしょうか? これは、ゴニオメーターの基本軸と移動軸が自由に伸縮するため、関節の大きさに適合した長さのゴニオメーターで測定が可能になり、測定値がより正確になります。更に、両軸を伸ばすと最大長は53cmになり、大腿骨長も測れます。
イクステンドゴニオメーターは5色の透明色があります
Cobb法による測定
基本軸・移動軸を自由に伸縮させ、湾曲に対しゴニオメーターを正確にあてがうことが出来る
Cobb角=25°
Ferguson法による測定
イクステンドゴニオメーターは透明色であるため、Ferguson法で椎体画像の上にゴニオメーターを置いたとき、椎体の中心にゴニオメーターの軸心を容易に合わせることが出来るので、従来のゴニオメーターよりもより正確な測定が可能となる。
側湾度=25°
透明のイクステンドゴニオメーターであれば、椎骨の中心に正確に当てることが可能なため、角度をより正確に測ることが出来る
イクステンドゴニオメーター(アプリコット色)
膝屈曲角=57°
イクステンドゴニオメーター(蛍光バイオレット色)
肘関節屈曲=86°
イクステンドゴニオメーター(蛍光ローズ色)
底屈=43°
右頚体角をイクステンドゴニオメーターで測定(蛍光オレンジ色)
頚体角=136°
足関節底屈をイクステンドゴニオメーターで測定(アプリコット色)
底屈=43°
イクステンドゴニオメーターについて、詳しくはホームページの「商品紹介」をご覧下さい
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