脊髄損傷者の排尿自立度
脊髄損傷者にとっても排尿・排便が自立することは重要です。①日常生活や仕事等の自立には特に必要な存在になると同時に ②QOLの向上や介護の負担を軽減する観点からも重要な問題となります。
Sacral Sparing の有無
骨盤内臓神経および陰部神経が関与する排泄機能の予後 を予測する重要な指標となる
Sacral Sparing 有りとは?
肛門括約筋の運動 and/or 肛門周囲の感覚があること
完全麻痺の定義は 仙髄節の運動と知覚が完全に喪失すること
不全麻痺の定義は 仙髄節の運動and/or感覚が残存すること=Sacral Sparing 有り ということでした。 したがって、不全麻痺の場合はSacral Sparing 有りということで排尿の自立度は高くなるということです。
下表のSacral Sparing 有りでは94例中76例(80%)が部分自立あるいは自立で、Sacral Sparing 無しでは32例中7例(20%)が部分自立あるいは自立という結果であった。 Sacral Sparing の有無で排尿の自立度が大きく異なることが分かる。
Sacral Sparin 有りの検査方法
①球海綿体反射(bulbocavernous reflex) : 男性の場合は亀頭、女性の場合は陰核を刺激した時に肛門括約筋の収縮が有れば陽性と判断(正常人でも20~30%の割合で出現しない偽陰性があることを覚えておくべき)
②肛門反射(anal reflex): 肛門周囲の皮膚を針で刺激した時に外肛門括約筋が収縮する反射(①、②の一方しか出現しない場合があることに注意が必要)
③知覚検査 : 第2~4(5)仙髄節部の知覚を針で刺激して感覚の有無を聞く。感じれば陽性である。
ちょっと、一息
ゴニオメーターの軸が伸縮するイクステンドゴニオメーターをご存じでしょうか? これは、ゴニオメーターの基本軸と移動軸が自由に伸縮するため、関節の大きさに適合した長さのゴニオメーターで測定が可能になり、測定値がより正確になります。更に、両軸を伸ばすと最大長は53cmになり、大腿骨長も測れます。
イクステンドゴニオメーターは5色の透明色があります
Cobb法による測定
基本軸・移動軸を自由に伸縮させ、湾曲に対しゴニオメーターを正確にあてがうことが出来る
Cobb角=25°
Ferguson法による測定
イクステンドゴニオメーターは透明色であるため、Ferguson法で椎体画像の上にゴニオメーターを置いたとき、椎体の中心にゴニオメーターの軸心を容易に合わせることが出来るので、従来のゴニオメーターよりもより正確な測定が可能となる。
側湾度=25°
透明のイクステンドゴニオメーターであれば、椎骨の中心に正確に当てることが可能なため、角度をより正確に測ることが出来る
イクステンドゴニオメーター(アプリコット色)
膝屈曲角=57°
イクステンドゴニオメーター(蛍光バイオレット色)
肘関節屈曲=86°
イクステンドゴニオメーター(蛍光ローズ色)
底屈=43°
イクステンドゴニオメーターについて、詳しくはホームページの「商品紹介」をご覧下さい
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