損傷高位と座位バランス
損傷高位と座位バランス(完全損傷の場合)
【座位バランスを矢状面で比較】
①健常者の矢状面でのバランスのとり方
体重の支持基底面は両大腿部と座骨結節部で、股関節の筋および体幹の筋が、骨盤と上体を垂直に保ち安定したバランスを保持している。
②腰髄損傷者のバランスのとり方
体重の支持基底面は両大腿部と座骨結節部で、体幹の腹筋群はほぼ正常に働くため、体幹はほぼ垂直に保つことが出来る。損傷(上位腰椎)部でのアライメントの崩れが見られるが、腹筋群で上手く姿勢を保持している。
③上位胸髄損傷者のバランスのとり方
体重の支持基底面は大腿部、座骨結節および尾骨部である。このような体重支持は尾骨部の褥瘡を作る危険があるため、座位保持方法を考慮した褥瘡対策を必要とする。胸髄損傷部でのアライメントの崩れが目視的に見られないのは、肋骨等により構築学的にアライメントが保持されているためと考えられる。
体幹を保持する腹筋群等が麻痺しているため、体幹全体を大きく湾曲させてバランスを取っているのが分かる。バランスのとり方は頸髄損傷者と似ている。
④頸髄損傷者のバランスのとり方
体重の支持基底面は大腿部、坐骨結節部および尾骨部で、上位胸髄損傷者と同様である。したがって、尾骨部での褥瘡予防に十分な配慮が必要となる。
上位胸髄損傷者と同様、体幹を保持する腹筋群等が麻痺しているため、体幹全体を大きく湾曲させてバランスを取っているのが分かる。
ちょっと、一息
ゴニオメーターの軸が伸縮するイクステンドゴニオメーターをご存じでしょうか? これは、ゴニオメーターの基本軸と移動軸が自由に伸縮するため、関節の大きさに適合した長さのゴニオメーターで測定が可能になり、測定値がより正確になります。更に、両軸を伸ばすと最大長は53cmになり、大腿骨長も測れます。
イクステンドゴニオメーターは5色の透明色があります
Cobb法による測定
基本軸・移動軸を自由に伸縮させ、湾曲に対しゴニオメーターを正確にあてがうことが出来る
Cobb角=25°
Ferguson法による測定
イクステンドゴニオメーターは透明色であるため、Ferguson法で椎体画像の上にゴニオメーターを置いたとき、椎体の中心にゴニオメーターの軸心を容易に合わせることが出来るので、従来のゴニオメーターよりもより正確な測定が可能となる。
側湾度=25°
透明のイクステンドゴニオメーターであれば、椎骨の中心に正確に当てることが可能なため、角度をより正確に測ることが出来る
イクステンドゴニオメーター(アプリコット色)
膝屈曲角=57°
イクステンドゴニオメーター(蛍光バイオレット色)
肘関節屈曲=86°
イクステンドゴニオメーター(蛍光ローズ色)
底屈=43°
イクステンドゴニオメーター(蛍光バイオレット色)
右頚体角をイクステンドゴニオメーターで測定(蛍光バイオレット色)
頚体角=130°
イクステンドゴニオメーターについて、詳しくはホームページの「商品紹介」をご覧下さい
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