呼吸障害
脊髄損傷の損傷レベルによっては呼吸に関する筋に影響が及びます。以下に、損傷レベル別に呼吸への影響を説明します。
1⃣ 頸髄損傷 C3から上
①横隔膜(C3~C5)は全く働かない。呼吸補助筋である胸鎖乳突筋(副神経*、C1,2)、僧帽筋(副神経*、C2~C4)も機能しないので、生命維持に人工呼吸器が必要。(副神経*:下図参照) ②肋間筋や腹筋も全く機能しないので、クシャミや咳も出来ない。
2⃣ 頸髄損傷 C4,5
①横隔膜は若干機能するが、不十分 ③僧帽筋は動くが肋間筋や腹筋は動かないため、人工呼吸器が必要な場合もある
3⃣ 頸髄損傷 C6~C8
①横隔膜は機能しているので、腹式呼吸が十分できる ②内・外肋間筋(T1~T12)や腹筋は機能しないが、呼吸補助筋としての僧帽筋、胸鎖乳突筋、前・中・後斜角筋(C4~C8)および大・小菱形筋(C4~C5)は機能するので呼吸が良好になる
4⃣ 胸髄損傷 T1~T5
①横隔膜は正常なるも努力呼吸筋の内・外肋間筋(T1~T12)は完全ではない。腹直筋(T5~T12)、外腹斜筋(T5~T12)は機能しないので努力呼気は出来ない。 ②咳やくしゃみは弱い
5⃣ 胸髄損傷 T6~T12
①横隔膜と内・外肋間筋(T1~T12)はほぼ正常に機能します ②腹直筋(T5~T12)、内腹斜筋(T10~L1)および外腹斜筋(T5~T12)は一部障害され十分には働かないため、努力呼気は少し弱くなる
6⃣ 腰髄、仙髄損傷 L1~L5、S1~S4
全ての呼吸筋は正常に機能する。
ちょっと、一息
ゴニオメーターの軸が伸縮するイクステンドゴニオメーターをご存じでしょうか? これは、ゴニオメーターの基本軸と移動軸が自由に伸縮するため、関節の大きさに適合した長さのゴニオメーターで測定が可能になり、測定値がより正確になります。更に、両軸を伸ばすと最大長は53cmになり、大腿骨長も測れます。
イクステンドゴニオメーターは5色の透明色があります
Cobb法による測定
基本軸・移動軸を自由に伸縮させ、湾曲に対しゴニオメーターを正確にあてがうことが出来る
Cobb角=25°
Ferguson法による測定
イクステンドゴニオメーターは透明色であるため、Ferguson法で椎体画像の上にゴニオメーターを置いたとき、椎体の中心にゴニオメーターの軸心を容易に合わせることが出来るので、従来のゴニオメーターよりもより正確な測定が可能となる。
側湾度=25°
透明のイクステンドゴニオメーターであれば、椎骨の中心に正確に当てることが可能なため、角度をより正確に測ることが出来る
イクステンドゴニオメーター(アプリコット色)
膝屈曲角=57°
イクステンドゴニオメーター(蛍光バイオレット色)
肘関節屈曲=86°
イクステンドゴニオメーター(蛍光ローズ色)
底屈=43°
右頚体角をイクステンドゴニオメーターで測定(蛍光オレンジ色)
頚体角=136°
イクステンドゴニオメーターについて、詳しくはホームページの「商品紹介」をご覧下さい
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