排尿障害:膀胱の神経支配と排尿中枢
脊髄損傷になると損傷した脊髄より下との間で脳からの信号も各効果器等からの信号も途絶えることになる。そのため、運動麻痺、知覚麻痺、自律神経麻痺、排尿障害、排便障害などが引き起こされる。ここでは、排尿障害について説明します。
最初に、膀胱の神経支配について簡単に説明します。
膀胱の神経支配は3系統の神経支配で機能しています。 ①交感神経 ②副交感神経 ③体性運動神経 の3系統です。
蓄尿期:膀胱壁(排尿筋、利尿筋)が弛緩し、内尿道括約筋が収縮している状態
膀胱に尿が溜まっていくと、尿道につながる膀胱三角部の圧受容体からの求心性インパルスは骨盤内臓神経として仙髄の排尿中枢S2,3,4を介して上行し一部は大脳皮質に伝わり尿意を意識させ、一部はT10,11,12、L1の交感神経核を刺激し下腸間膜動脈神経節を通り膀胱壁(排尿筋)にβ2作動性交感神経のインパルスを送り排尿筋を弛緩させる。同時に、膀胱頸部、尿道はα1作動性交感神経の刺激により緊張する。かくして、尿道は緊張して閉鎖され、膀胱壁は弛緩して蓄尿し易くなるのである。
排尿期:膀胱壁(排尿筋、利尿筋)が収縮し、内尿道括約筋が弛緩している状態
膀胱に150~300mlの尿が溜まると尿意を感じ、そのインパルスは膀胱三角部の圧受容体から骨盤内臓神経を通りS2,3,4の仙髄排尿中枢から脊髄を上行し大脳皮質に到達すると尿意を認識するようになる。 300~500mlの尿が溜まると膀胱三角部の圧受容体からの求心性インパルスは尿意を感じた時と同様に、仙髄排尿中枢S2,3,4から脊髄を上行し脳幹部、視床下部の視索上核が刺激されると抑制インパルスが下行し、S2,3,4の副交感神経核を刺激すると骨盤内臓神経を介して遠心性インパルスは膀胱壁に到達し膀胱を収縮させる。 同時に、仙髄のオヌフ核は抑制され外尿道括約筋は弛緩し、胸腰髄(T10,11,12、L1,2)の交感神経核は膀胱頸部、尿道は弛緩することで排尿が行われる。
ちょっと、一息
ゴニオメーターの軸が伸縮するイクステンドゴニオメーターをご存じでしょうか? これは、ゴニオメーターの基本軸と移動軸が自由に伸縮するため、関節の大きさに適合した長さのゴニオメーターで測定が可能になり、測定値がより正確になります。更に、両軸を伸ばすと最大長は53cmになり、大腿骨長も測れます。
イクステンドゴニオメーターは5色の透明色があります
Cobb法による測定
基本軸・移動軸を自由に伸縮させ、湾曲に対しゴニオメーターを正確にあてがうことが出来る
Cobb角=25°
Ferguson法による測定
イクステンドゴニオメーターは透明色であるため、Ferguson法で椎体画像の上にゴニオメーターを置いたとき、椎体の中心にゴニオメーターの軸心を容易に合わせることが出来るので、従来のゴニオメーターよりもより正確な測定が可能となる。
側湾度=25°
透明のイクステンドゴニオメーターであれば、椎骨の中心に正確に当てることが可能なため、角度をより正確に測ることが出来る
イクステンドゴニオメーター(アプリコット色)
膝屈曲角=57°
イクステンドゴニオメーター(蛍光バイオレット色)
肘関節屈曲=86°
イクステンドゴニオメーター(蛍光ローズ色)
底屈=43°
イクステンドゴニオメーターについて、詳しくはホームページの「商品紹介」をご覧下さい
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