近年の褥瘡発生(壊死)メカニズム
(1)褥瘡発生メカニズム(Berlowitzらによる分類)
近年、褥瘡は圧迫による阻血という理由だけでなく、以下に記す4つの発生メカニズム(Berlowitzら)による分類がある。
1.阻血性障害
細胞呼吸のエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)は血液中の血糖として全身を回っているが、グルコースの供給低下が組織内の乳酸蓄積を促進させて㏗の低下(酸性化)をもたらし、微小血管の閉塞および筋の機能を低下させ、組織障害へと導く。
阻血(虚血)による組織への酸素(O2)供給低下はATPの低下をもたらし、同時にATPはADPからアデノシン、イノシン。ヒポキサンチン(hypoxanthine)へと分解される。
また、Na/K ATPポンプ障害を介し、水とNaが細胞内に流入し、細胞等の膨化をきたし、ミトコンドリア膜やライソゾーム膜の破壊をもたらすことで、組織障害を引き起こす。
2.再灌流障害
阻血後の血流再開つまり、再灌流に因り起こる傷害は阻血に因る傷害よりも顕著である。
阻血によりヒポキサンチンが増加し、再灌流によって供給される酸素(O2)にキサンチン酸化酵素が作用し、酸素フリーラジカル(oxygen free radicals:ハイドロキシラジカル、過酸化水素水等)が生成され、細胞障害が悠起される。
3.リンパ系機能障害
リンパ灌流のうっ滞により、老廃物や自己分解性酵素の蓄積が起こる。
4.細胞・組織の機械的変形
身体に加わる外力は全て垂直方向と水平方向の力(分力)のベクトルで表現できる。垂直方向の分力は阻血障害に関わり、水平方向の分力は骨に接した部分で組織に加わる剪断力として作用することになり、組織障害を悠起する。これは、近年 deeptissue injury (DTI)と表現されている。
ちょっと、一息
ゴニオメーターの軸が伸縮するイクステンドゴニオメーターをご存じでしょうか? これは、ゴニオメーターの基本軸と移動軸が自由に伸縮するため、関節の大きさに適合した長さのゴニオメーターで測定が可能になり、測定値がより正確になります。更に、両軸を伸ばすと最大長は53cmになり、大腿骨長も測れます。
イクステンドゴニオメーターは5色の透明色があります
Cobb法による測定
基本軸・移動軸を自由に伸縮させ、湾曲に対しゴニオメーターを正確にあてがうことが出来る
Cobb角=25°
Ferguson法による測定
イクステンドゴニオメーターは透明色であるため、Ferguson法で椎体画像の上にゴニオメーターを置いたとき、椎体の中心にゴニオメーターの軸心を容易に合わせることが出来るので、従来のゴニオメーターよりもより正確な測定が可能となる。
側湾度=25°
透明のイクステンドゴニオメーターであれば、椎骨の中心に正確に当てることが可能なため、角度をより正確に測ることが出来る
イクステンドゴニオメーター(アプリコット色)
膝屈曲角=57°
イクステンドゴニオメーター(蛍光バイオレット色)
肘関節屈曲=86°
イクステンドゴニオメーター(蛍光ローズ色)
底屈=43°
イクステンドゴニオメーター(アプリコット色)
右頚体角をイクステンドゴニオメーターで測定(アプリコット色)
頚体角=130°
イクステンドゴニオメーターについて、詳しくはホームページの「商品紹介」をご覧下さい
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